心と体が甦るタオイズム ――無為自然の実践哲学――
  • 監修者の言葉/早島妙瑞 はじめに/早島正雄(天來)


  • 第一章 タオは東洋哲学の真髄
    • 生きた実践哲学、タオイズム
    • 道家(どうか)について
    • 道家と道教
    • 老子とはいかなる人物か
    • 道家の人たちの神髄が老子である
    • 道家の龍門派の允可を受けて
    • 「迷いは鬼だ」の諺
    • タオイズムの根本は「無為自然」
    • 「道」という普遍の法則
    • 道は固定したものでない
    • 「道」と呼ばれる宇宙の大法則
    • 道は用いて価値を生ず
    • 老荘の思想には対立の概念はない
    • 敵視や対立のもたらすもの
    • 蚊もよりつかない
    • 仙人は道家がめざしている理想人物
    • 道徳のない世界が理想である
    • 人間の作った道徳や宗教に執着しない
    • 正神、邪神と判断しようとすることは徒労だ
    • 無ということ
    • 間違えられやすい老子の解釈
    • 恒産なければ、恒心なし
    • 所有という幻想
    • 握ったものは放(ほ)かせばよい
    • 愛蔵の骨董や蔵書も、生きている間預かっているに過ぎない
    • 人間の勝手な判断を否定していく生き方
    • 我執がもたらすもの
    • 我執をつくるもの、無我執をつくるもの
    • みんなが、さまざまなこだわりに縛られている
    • 無意識に差別していること
    • 体を洗わないで病気になる
    • 上善は水の如し
    • 荘子の警鐘
    • 老荘学における人間観
    • 道家と禅宗が似ている理由
    • 「無の哲学」と「空の思想」
    • 道家と禅宗が最も異なる点
    • 名前も金も残さない人を最高とする
    • 生に執着すれば命を縮める
    • 過食・過飲・過欲で健康を害する現代人
    • 兵法の極意
    • 戦わずして勝つ
    • 和光同塵という生き方
    • 知恵を誇って禍を招く
    • 分に甘んじることを忘れてはいないか
    • 安らかに生きる秘訣
    • 無為に関する大先生の質問
    • 天の偉大さを知る人間になれ
    • 道家では笑いも怒りも、過ぎてはいけない
    • 笑いを研究すれば、道家の生き方がわかる


    第二章 導引術と不老長寿の法
    • 「性命双修」という訓え
    • 仙人になるための不老長寿の法
    • 中国と台湾における導引
    • 健康のため、四つ足で歩く老人
    • 動物を観察した結果
    • 百歳を超える道士たち
    • 導引の再発見
    • 導引から導引術へ
    • 二千数百年前の導引図
    • 復元された帛画
    • 導引の影響
    • 太極拳や八段錦も導引から生まれた
    • 導引は公家たちの専有物であった
    • 「医者が見放したら導引医」という諺
    • 病気の治療法として確立された導引
    • 臍下丹田(せいかたんでん)についての誤解
    • 腰湯の誤解と正しい方法
    • 自分で自分の体を動かすことが基本となる
    • 病気の治療が道家の思想・哲学に通じる
    • 和方医学の特徴のひとつに黒焼きがある
    • 導引健康法はそのまま病気治療になる
    • 呼吸法の極意
    • まちがった呼吸法は体をいためる
    • 「無我の境地」に入る静坐法の不思議
      ┣ 道家の静坐法
      ┗ 築基(ちっき)の方法――手の組み方
    • 静坐法で自然と雑念が取れる
    • 調気の法という健康法
    • 道家と導引
    • 糖尿病の治し方も記されている
    • 導引術をやることが修行である
    • 体と心を一緒に治す、それが導引だ
    • 病気を「人間そのものの患い」と見る東洋哲学
    • ノイローゼを治す導引術
    • 現代医学が治せない病も導引術で完治する
    • 道家のことがわからなければ、『諸病源候論』は理解できない
    • 病気の原因は一つである
    • 心の悩みは体で治し、体の病気は心で治す
    • クセを直すと病気にならなくなる
    • 一定の姿勢を長時間続けない
    • 心のこだわりが病気を引き起こす
    • 病気の原因は七情六欲
    • 七情をどうやって抑えるか
    • 人は病に死せずして医に死す
    • 薬で本当に病気が治るだろうか
    • 生はそのままの全体を活かす仙法
    • 薬とは本来は毒である
    • 現代医学の盲点
    • 病気は体の全部である
    • 病因を追い出すように処方する
    • 道家では肉や魚はあまり食べない
    • 病気には家庭と関係のあるものが多い
    • 二足歩行には、もともと無理がある
    • ツボと導引術
    • 体内の老廃物や邪気を排泄する
    • 気血の流れと五臓六腑の関係
    • 活発なときには老廃物もたくさん出る
    • 観念と呼吸の弛緩
    • 健康のコツは肩の力を抜くこと
      ┗ 肩おとしの方法
    • 導引は正統派の、本当の医学
    • 体のすべての細胞が若返る
    • 死ぬまで病気をしない生き方
    • 若返り、しかも品が出てくる秘密
    • 体の老化も回復できる
    • 自分の病気は自分で治せ
    • 元気もりもりでこそ、豊かな生活も送れる 
      ┗ 寝床の中で行う行法


    第三章 わが人生――修業の道
    • 南朝のために戦って亡ばされた大高坂(おおたかさ)家
    • 父はどんな病気でも治していた
    • 一升瓶の思い出
    • 『慶安太平記』の芝居を見て
    • 持って生まれた性格は治すより活かせ
    • 「三種の神器」を手に入れて
    • 新聞店でものすごい成績を上げる
    • 父の志と精神を受け継ぐ
    • 行軍と日なたぼっこ
    • 中国で会った、あまりにも若い仙女たち
    • 軍用犬が襲おうとはしなかった修行者
    • 武道家として南方に派遣される
    • 死期に面しても死なないという確信
    • 警察学校で逮捕術を指導する
    • 運命は自分で変えるもの
    • 各地の講習会で病気を治す
    • 鎌倉に道場を開く
    • 病気が治る条件がわかった
    • 小路を散歩しながら
    • 台湾には道士たちが移り住んでいた
    • 台湾で驚愕された導引術
    • 龍門派第十二代の教主の来訪
    • ヨーロッパで話題になった導引術
    • 人間の体の道理にかなう
    • 海外における武術と導引術
    • 「活法」が忘れられている
    • 静脈瘤を治して、大騒ぎに
    • 体を動かして気を巡らせる
    • 台湾の易者の驚き
    • 道家道学院の設立
    • 自分の体で人体実験
    • 道家は眠るが如く死ぬ
    • 全真教の発祥地からの招待


    第四章 導引術と道家動功術
    • 合気術と導引
    • 武術かつ健康法そして医術ともなる
    • 二者一体の関係
    • 合気とは何か
    • 人を殺せる合気術と人を活かす導引術
    • 導引術がただちに合気術となる
      ┣ 外小葉による行法
      ┗ 内小葉による行法
    • 合気術と合気道は異なる
    • 力でねじふせる必要がない
    • 腹脳で物を考える
    • 歩き方と呼吸法
    • かかとで呼吸する
    • 手と足の指をもんでいれば、病気知らずになる
      ┣ 手の指のもみ方
      ┗ 足の指のもみ方
    • 足の気の流れが乱れてしまう


    第五章 心を切り換える洗心術
    • 頭の切り換えをする
    • 「正しく見る、正しく聞く、正しくいう」ことの大切さ
    • 道家の教えの変形したもの
    • 民衆の中に入り込んでいる道教
    • 台湾はいまでも道教が中心
    • 執着は人間を不自由にする
    • ストレスやイライラの原因
    • 心の悩みを洗い流す
    • 修行を積んだ道士との対話
    • 竹林(ちくりん)の七賢(しちけん)の談論
    • 洗心をやれば、景色が違って見える
    • 尽くすと思うのは間違いだ
    • 谷神(こくしん)死せず、の本当の意味
    • 良い家庭環境が良い子を育てる
    • 金持ちや有名人は本当に偉いのか
    • 一流学校と一流の人生とは一致するものか
    • とらわれない頭脳の持ち主が天才である
    • 頭が硬いとギクシャクする
    • 自然のままに従って現代社会を生きる
    • 外を変えないで自分を変える
    • 仏教、儒教も時代と共に変わる
    • 今にとらわれるな
    • 人間は、地上のことばかりに目を向けている
    • 自然は偏るということはしない
    • 道はどんどん変わるもの
    • 期待しなければ落胆もない
    • 人間には本来失うものなど何もない


    第六章 「気」は人と大宇宙を結ぶ
    • 「精」「気」「神」が人間の条件
    • 元気のシンボルは精気である
    • 人の気と天の気
    • 若返りと回春
    • 人生と宇宙のつながりを究める
    • 「神」の自覚の大切さ
    • 陰陽五行の考え
    • 丹田は三つある
    • 小周天と大周天
    • 大周天をきわめる行
    • 正気(せいき)と邪気
    • 荘子の言葉と「調息」
    • 体を整えるための「調身」
    • 丹田の部分が熱くなる理由
    • 気力をつけるスワイソウ
      ┣ スワイソウのやり方
      ┗ 上三下七のポイント
    • 邪気を追い払う代表的な方法
    • 足に力を入れる必要
    • 体の硬さをなくし、心の硬さを取り去る
    • 頭の老化と体の老化
    • 事故に遭った人はすべて病人
    • 気を実践する兵法
    • 気の達人・宮本武蔵
    • すべてに怖くなくなる
    • 天然自然の気
    • 気の層、気の流れからわかること
    • 四季の気を知ることもできる
    • 気と正しい歩き方
    • 気の流れに乗れば、世界が変わってくる


    第七章 「道」を歩く極意
    • 運命は変えられる
    • 仏になれるのは、ひと握りのエリートだけ
    • 大乗仏教は釈迦が説かれた仏教ではない
    • 真理は一つ、神は一つというのは本当か
    • 愛が最高だとは神様はいっていない
    • 「先祖のたたり」など、あるはずがない
    • 神仏を拝んで神仏を頼まず
    • 隠士こそ道家の理想像
    • 仙人の上に位する真人(しんじん)
    • 白幽仙人と白隠禅師の生き方
    • 禅僧とヨガ行者と道家
    • 超能力には重きを置かない
    • さまざまな病気を治す術
    • 導引と神道
    • ヨガは体質的に日本人向きではない
    • 星座占いなんて気にするな
    • 易と手相、方位、家相とは違う
    • 病気のことが人相に表れる
    • 火事が出るという「画相」を見て
    • 災難が来ることも予知できる理由
    • 頭もスッキリし、意識も明確になる
    • 手相も人相も、ぐんぐん変わっていく
    • 東家の西は西家の東
    • 霊魂ではなく、商魂から出た墓相
    • 死を怖がるな
    • 人間は死ぬと形は無になるが、気は残る
    • 本当に、死んだら極楽に行けるのか
    • 病気で苦しむのは愚の骨頂
    • 死ねば大自然に帰るのが一番いい
    • 人間は病気で死ぬものではない
    • 道家の修業を積む
    • 本当の幸福とは何だろうか
    • 死ぬのもよし、生きるもよし
    • 長寿の秘訣
    • 仙人は長寿である
    • 道家の行法を行う最高の幸せ
    • 幼い頃の童顔までよみがえる
    • 老荘の生き方を実践する者に老人はいない
    • 学長・早島正雄先生のこと/周関春
    • 道家、医家、武術家としての早島正雄先生/宋今人